第47話 あとがき
車令が10年を過ぎても2年車検を続けられるようになったと聞く。これで車の寿命は10年という、誰が考えたのか無意味な境界線が取り除かれ、古い車の車権は、ますます強いものになるだろう。そして個性豊かな若者達が自分のアウトフィットとして、50年代60年代70年代の車に興味を持つようになることは間違いない。没個性の国産スポーティーカーの新車と同等の価格で、古ささえ気にしなければ、人類の歴史に残るスポーツカーが手に入ってしまうご時世だ。そして、この円高である。それに乗じて、海外から古い車がどんどん輸入され、そんな車を町中で見かける機会がもっと多くなるだろう。それに伴いパーツの供給ももっと良くなり、値段も下がり、リーズナブルな価格で修理をしてくれる良質な修理工場も現われ、古い車を所有するための環境は今後より改善されていくだろう。
しかし、そこには深い落し穴が控えている。古い車はガソリンさえ入れていれば、文句を言わずいつまでも走り続けてくれるものではない。盆栽を育てるがごとく、水をやったり、日に当てたり、枝を選定したり、たまには鉢を替えてやったり、オーナーがしなければならない事が山ほど有る。だから、日本列島を世界のヒストリックカーのジャンクヤードにしてしまわないためにも、オーナーとなる人はそれなりの覚悟をしてからこの世界に入ってほしい。
このストーリーは、僕の自作自演の10年間に及ぶドタバタ劇かも知れない。でも、こんなバカ気た車との付き合い方も有ることを知ってもらい、皆さんが素敵なラブストーリーを演じる助けになればと、太平洋の対岸から望んで止まない。
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