Videos Projects Archives Guestbook



 

第28話 ドライバーへの要求

某年某月某日

「もっと幅の狭い靴を履いてくればよかったと後悔した。」これが、雑誌のエランの試乗記に出てくる決まり文句で、ヒール&トウではなく、トウ&トウでシフトダウンができてしまうほど、アクセルペダルとブレーキペダルの間隔が異常に狭いのだ。このように意識してブレーキペダルとアクセルペダルを一緒に踏む場合には都合がよいが、ただブレーキをかけようと思って、アクセルペダルも一緒に踏んでしまう事がしばしば起こった。この点をチャップマンに文句を言っても、「運転が下手なのではないか?そんなことで文句を言うなら、他の車に乗りなさい。」と言い放たれてしまうにちがいないが、、、、
まして左ハンドルのエランは、その間隔が右ハンドルのエランより更に1センチほど狭いのだ。その反面、3つのペダルが全体的に右に寄っているため、クラッチペダルとフットボックスの左側の壁の間には充分な間隔が残されている。こうなったら、N熔接に頼んで、ブレーキとクラッチペダルのアームを左に曲げてもらえば問題が改善されるだろうと、実行に移す。この3つのペダルは、フットボックスに鉄製のフレームで固定されているので、3つ一緒に外すことができる。今回、N熔接の社長にお願いしたのは、「ペダルのアームを左に2?3センチ曲げてください。」と、店の名前と構えに見合った複雑な工作機械を一切使わない鍛冶屋仕事である。


次の日、ペダルのアームをくの字に曲げただけで、踏みにくくなってしまったらどうしようかと若干心配しながらN熔接にペダルアッセンブリーを受け取りに行った。しかし、今回もヒーターバルブの時同様、僕の予想を上回る仕事をしてくれた。それは、アームの中間地点で一度左に振って、2.5センチぐらいのところで垂直に下へ降りてくるように曲げてある。それも、ブレーキとクラッチのアームがきれいに平行線を描いているのだ。「モチはモチ屋!」とはよく言ったものだと感心した。でもまた落ちがついてしまった。また僕が悪いのだが、付けたままでも大丈夫だろとそのままにしておいたプラスチック製のストップランプのスイッチが、熱せられたアームに触れて溶けてしまっていたのだ。だからこの社長は憎めない。

アームが横への距離を稼いでいる分、支点からペダルまでの全長が短くなったわけだから、それに伴って床からのペダルまでの距離は遠くなってしまった。これでペダルが踏みにくくなったり、ブレーキやクラッチが重くなったりしないかと心配したが、全く問題はないようだ。それ以上に、ペダル間隔が2センチ広がったことで、前のようなミスを起こすことは皆無になった。因みに溶けたスイッチは、スイッチを押すロッド部分が溶けただけで、短くなった部分にビスをネジ込んで長さを確保して使えるようになった。

これでスニーカーでも十分運転できるエランができあがった。



 

Advertising Programs | Business Solutions | Privacy Policy | Help | About SamokaWeb

©2006 SamokaWeb.com